安達円空

 十一面観音はその深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施す仏であると言われている。元禄2年(1689年)、58歳の円空は滋賀県の伊吹山中腹にある太平寺で十一面観音像を彫り、「四日木切 五日加持 六日作 七日開眼  元禄二己巳年三月初七日  円空沙門」と背面に書かれている。
驚くべきことに像高180.5cm(桜の木)をわずか4日で作っているのである。
 お腹の膨らみや、魚鱗を思わせる衣装は濁流に呑まれた母を想ってではないかと言われているが、安産の仏様としても広く信仰されて今日に至っている。
    
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