三重刻友会の第三回仏像ツアー
円空のふるさと探訪

日  時 : H20年7月29日(火)晴(一時雨)
 
往訪先 : 渡岸寺観音堂(向源寺)【滋賀県伊香郡高月町大字渡岸寺】
       己高閣・世代閣【滋賀県伊香郡木之本町】
       西野薬師堂(充満寺)【滋賀県伊香郡高月町西野】
 
参加者 : 安達先生ご夫妻、近藤、中沢、沼田、安藤、安田、服部、橋本、田中、
       【マイカー3台に分乗.安藤、服部、安田各氏運転】
                   


朝の落ち合い場所の藤原町へ入ると、前日の神戸豪雨を思わせるような大雨となった。
しかし、関が原を越えるころにはこの雨で涼しくなって良い天気(?)になりラッキー!

湖北地方は古代から山岳仏教も隆盛し、観音信仰も散在する集落の人々に代々支えられて湖北仏教文化圏を築いた。

渡岸寺観音堂(向源寺)

今回ツアーの主目的の仏像「高月の観音さま」として親しまれる国宝の十一面観音菩薩立像を安置する向源寺は高月町渡源寺にある。
住職が見所など熱っぽく説明してくださった。
1570年(元亀元年)織田浅井の兵乱で七堂伽藍消失時に本尊十一面観音を住職と村人が地中深く埋めて守ったという。現在は耐震構造の収蔵庫(平成18年10月落慶)に大日如来坐像と並んで安置されている。
頭部真後ろの「暴悪大笑面」も見ることが出来る。全身一木造りであるが体内の刳りはかなり高度であると言う(1.95mで40K余)。華麗で官能的な美しさである。
刻友会諸氏の模作意欲が燃え上がった様子。



己高山鶏足寺
奈良時代行基が東光山常楽寺を草創。最澄は尊像を補修し寺院を再建。時代の推移により衰微し、現在は仏閣の跡を残すのみ。
本尊の十一面観音(平安初期・重文)その他の仏像及び寺宝が己高閣(S38年国庫補助で文化財収蔵庫建立)に安置収納されている。
七仏薬師如来立像(平安後期)の内一体に感極まって涙があふれた人がいると聞いた。

世代山戸岩寺

僧行基が開き盛大な仏教圏を築いたが長い年月の後、政情変化、兵乱により尊像や寺宝は村人の努力で守られてきた。
当地区の古代からの文化財や薬師如来立像(奈良時代・重文)、寺宝は収納庫世代閣(平成元年秋開館)に収納されている。十二神将のうち三体(奈良時代・重文)、魚藍観世音立像、十二神将のうち十体、仏教絵画その他の文化財が村人の手で管理されている。収納庫建設は村人の浄財によったそうだ。




西野薬師堂(充満寺)

木造伝薬師如来立像(重文)は「薬壷」を持っていない珍しい薬師如来である。
木造十一面観世音立像(平安初期、作者不詳)


今回ツアーで拝顔した仏像はそれぞれ苦難を経て村人が保存に力を寄せた歴史があった。






帰り道に中山道・醒ヶ井宿に立ち寄って清流・地蔵川に咲く梅花藻の可憐な花を見て川沿いを散策しました。
水温14度の湧水、冷たくきれいな川は夏の風物詩。



   次のツアーを約束して、それぞれの我家に着くころは、対向車のライトが眩しくなっていました。  (田中 記)




下記の写真をクリックしてください。  (写真提供 安藤 安田 服部)